これが素人のやり方

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昔話

私は文学部の倫理学科出身です。

倫理学は、世の中に物質的な幸福を与えることはできません。実学ではないのです。

 

それでも倫理学は、世の中の至る箇所で根を張っている学問だと私は感じています。企業倫理、医療倫理、環境倫理という具合に、倫理の活躍の場は多岐にわたっています。

 

私はその中で医療倫理を専門にしていました。安楽死、終末期医療の問題、クローン技術、生殖医療(代理母出産など)がその主な範疇です。

 

妊活、終活という言葉をよく耳にするようになりました。人の生命に関わるような重大な出来事をここまでポップにするのは私にとって大きな抵抗です。真摯に向き合うことは大いに結構ですが、ポップにして商業的な香りを出すのはいかがなものかと思います。

 

人の生命に関わるようなことを流行の波に乗せ群衆心理を煽り、商業としてさせることは果たして「正しい」のでしょうか。妊活がさらに進んだ先にあるのは出産の商業化、いわば金銭目的の代理出産であり、終活がさらに進んだ先にあるのが安楽死であることを感覚しているでしょうか。

 

そんなことを考えて過ごした大学4年間、他学部の友人にはそりゃあ白い目で見られました。もちろん。